われらはレギオン3 太陽系最終決戦 [本と雑誌]
われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦 (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: デニス・E・テイラー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/10/04
- メディア: 文庫
今月のSFノルマはデニス・E・テイラー。
あまりに面白いシリーズなので立て続けに読んでおりますが、今回で一応の完結です。
複数の恒星系に進出した複製人間AIのボブ達は、氷河におおわれつつある地球からの人類のエクソダスや異星の知性種族の救出、そして黎明期の知性種族デルタ人との交流など、多岐にわたることに対応しています。
中でも最大の懸案はアザーズ。
昆虫のような社会性を持つ、コミュニケーション不能な破壊と略奪の実を行う星間種族との戦いです。
地球人類との敵対、というか絶滅を決めたアザーズが太陽系に向かうことを警戒しつつ、ボブ達は限られた時間でできうる限りの準備を進めます。
結末ではアザーズとの大決戦が描かれるわけですが…果たしてその結末やいかに。
肉体の制限から解き放たれたボブ達は、寿命を持たなくなったことで、かかわりのある人々やデルタ人などとの関係にも悩むことになります。
そのあたりのシミュレーションや心の動き、あがきのような辺りも非常に人間臭く、面白い展開でした。
素晴らしく壮大で、可能性に満ちた物語でした。
次回作の制作も順調のようですし、期待しておきましょう。