忍者と殺し屋のふたりぐらし [アニメ・コミック・ゲーム]
忍者と殺し屋のふたりぐらし(1) (電撃コミックスNEXT)
- 作者: ハンバーガー
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2022/01/27
- メディア: Kindle版
久しぶりに漫画の感想文を記事に。
ハンバーガーさん著の漫画作品。初単行本、にはならないのか。「ハンバーガーちゃん絵日記」の方が先ですね。
なりゆきで抜け忍となり、行き倒れたくのいちの[草隠さとこ]と、真面目そうな女子高生の外見をした殺し屋の[このは][?]の二人暮の日々を描く殺人コメディといった感じ。
ツィッターを見るに、「人の心がない」とか「サイコパス」だのと言った感想を見かけますが、そういう読者の反応も含めて楽しむ作品ではないかと思います。
絵柄はハンバーガーさんらしくかわいらしいですが、このはは邪魔者は消すし仕事でどんどん人を殺しますし、むしろ仕事でなくても自分の相対評価を上げるためにライバルの殺し屋(さとこを殺しに来る追手)をサクサク殺していきます。
一方のこのははこのはで、オドオド系の大人しい優しい心のキャラに見えて、バイト先に死体洗いを選んだり、里で面倒を見てくれたニンジャ(追手)に対してドライだったりと、どこか倫理観が一般とずれているなど、こちらも負けてはいません?
そんなコメディと倫理観の逸脱が、交わらず平行線で進行していく独特さが、この漫画の魅力なのかもしれません。
二人が一緒に行動するのは純粋に(特にこのはから見ると)利害の一致以外には無く、終わろうと思えばいつでも終わらせられる物語の危ういバランスが、読者にとってスリルでもあり、カタルシスなのかなあと思ったりしました。
この先人気が出ればアニメになったりするかもしれませんが、きっと製作スタッフの皆様は頭を抱えることになるんでしょうね。見る方としてはどんな仕上げになるのか、今から楽しみでもあります。
ある意味「今」だから出てきたマンガ作品だと思います。先々こんな作品は出ないと思うので、見流さないように読んでおくことをお勧めします。
宜しければこちらもぜひどうぞ。著者の日常が垣間見え、作品の生まれたバックボーンが理解できるのでは。
去りにし日々、今ひとたびの幻 [本と雑誌]
ボブ・ショウの本を読了。
「取り込んだ光が遅れて開放される」特性を持つスロー・ガラスのアイデアを背景に、その時代の人と、発明者の人生を描いたSF小説でした。
ガラス越しの光景が遅れて投影される、融通の効かない映写機のようなガラスが及ぼした世の中への影響がまず面白いです。
美しい風景を取り込んで「風景窓」として売り出す商売が隆盛を極め「5年物(5年間風景を映し続ける)」「10年もの」などと言った呼ばれ方をしているのが人間味を感じます。
アルバン・ギャロットは不器用な男性で、妻の父親の資金援助で技術開発をする会社をどうにか経営していますが、新型の超音速旅客機の耐熱窓用に作ったガラスが、スローガラスであることがわかり、その発明者として巨万の富を築き上げます。
同時にこのガラスは、社会を一変させるような影響を世界中に与えました。
いくつかの短編をまとめた長編となっているので、その世界に住むある晩以外の人々も描かれます。
偶々映り込んだ、今は亡き家族の光景に浸る人の話はもの悲しさを覚えます。
スローガラスが証明するはずの事件の真相を5年間待った判事の話は、時間の残酷さを感じたりもしますね。
アルバンの方の話では、スローガラスをトリックに使った推理ものなども描かれていました。
そしてその事件にかかわった際の転機が、心を停滞させていた、彼の人生を大きく進ませることにある構図が、SFアイデアとの対比としても素晴らしく、開放感のあるものでした。
大変面白い読書でした。良い本です。
株式会社シミズ貴石さま( @shimizu_kiseki ) 原石からのカット~お仕立てオーダー体験記 [ホビー]
現在は原石持ち込みでのファセットカット(さくらイン、ダンデライオンカット等)は受け付けていません。
甲州石切子に関しては、引き続き受け付けを検討してくださる、とのことです。ご留意ください。
2021年8月から年末にかけまして、甲府でも有数の技術と人気を持つ貴石・宝石研磨の会社「株式会社 シミズ貴石」さまと、原石からのカット、および装飾品ジュエリーへのお仕立てをお願いするという、素人鉱物収集家としては得難い経験をさせていただきました。
株式会社シミズ貴石様
URL:http://www.s-kiseki.co.jp/
ツィッター:https://twitter.com/shimizu_kiseki
インスタグラム:https://www.instagram.com/shimizu_kiseki/
※2022/3/1 追記
オーダーページが、より注文しやすくなりました。
https://linktr.ee/shimizukiseki
昨今のシミズ貴石さまの人気の盛り上がりを鑑みるに、同じようにオーダーやお仕立てをお願いしたい潜在ユーザーは多いのではと思っています。
かくいう私もその一人でして、今回ちょっとした話の流れから、思い切って踏み切ることが出来ました。
そこで、私と同じように、シミズ貴石様にオーダーしたいが、よくわからないという方の参考と、今回大変お世話になったシミズ貴石様の宣伝にでもなれば、という気持ちから、一連の流れを記事にしておこうと思います。
先にお断りしておきますが、今回紹介するのは、あくまで私のオーダーの場合をサンプルケースとした紹介になります。人によって、また、オーダー内容によって、そのやり取りはケースバイケースになることはご留意ください。
大まかには同じと思いますが、念のため書いておきます。
ステップ(1):シミズ貴石様へコンタクト(共通)
さて、オーダーするには、とにもかくにもシミズ貴石様に連絡を取らなければなりません。
連絡にはメールが良いです。メールアドレスはホームページに記載があります。
http://www.s-kiseki.co.jp/ORDER/index.html
オーダーに関しては、基本的に、この「ご注文方法」のページに記載の通りにすればOKです。
私の場合は原石からのカットなど、細かい事をお願いしたのでちょっと逸脱していますが、以下に紹介するステップも、おおむね基本的な流れに沿っています。
ツィッターやインスタグラムなどのSNS経由でまずは話しかけてみる、と言うのも悪くは無いですが、住所や金銭のやり取りなどのデリケートな情報はメールで行うことを強くお勧めします。
理由は2点あります。
シミズ貴石様はビジネス、お仕事としてオーダーを受けてくださっておりますので、その商取引としての記録・証拠の為にもメールが良いというのが1点。
SNSの場合、アカウント乗っ取りなどと言ったトラブルは容易に起こるというのがもう1点です。
一般のユーザーの感覚ではなかなか信じられないかもしれませんが、IT業界で仕事している私としては、実感としてSNSのアカウントは簡単に乗っ取られるものとして扱っています。それによる個人情報の抜き取りや、なりすましなどを避けるために、具体的な商取引はメールで行ってください。
連絡の際には、何をお願いしたいのか、を整理して明確に伝えてください。
ルースを購入したい場合は、記入例を参考に、欲しい石の種類、カットの種類(さくらインカット、甲州石切子、など)を一覧にすると良いです。
私のような原石からのカットオーダーの場合は、カットしてほしい原石の種類などをまずは伝えるのが良いでしょう。
ステップ2:原石の情報を伝える(原石のカットオーダーの場合のみ)
ステップ1で伝えた石がカットできるかどうか、シミズ貴石様から見解をいただけると思います。
参考までに、カット―オーダーでは、以下の石の、原石持ち込みでのカットは受け付けていません。
・硬度8.5以上の石(天然コランダム、スピネル等)、
・硬度4以下の石(フローライト等)、
・パライバトルマリン、アレキサンドライト
BtoB取引・お互い業者間での取引など、ケースバイケースで違うとは思いますが、一般的に上記は無理と思ってください。
他にもデリケートだったりレアすぎたり固すぎたりで、カット加工を依頼できない石はありますので、シミズ貴石様のご案内に従ってください。
カットをお願いできる石の場合、まずはメールで依頼したい原石の状態を伝えるのが良いでしょう。
定規やライトを使用して、原石の大きさや内部の傷の具合がわかるような写真を何枚か撮ってメールで送って見てもらうのが良いでしょう。
職人さまに見ていただいて、カットできる見込みがある石かどうか、判断してもらいます。
以下は、私が実際に送ったアクアマリン原石の写真うちの一部です。撮り方の参考にしてみてください。
SNSに張り付ける写真ではないので、見栄えの良い写真である必要は無いです。
それよりも原石の正確な大きさと状態が伝わるように、角度を変えて何枚も写真を撮って同封するのが良いです。
写真を見ていただいて、カットできそうな石であれば、その旨お返事を頂けますので、次のステップに進みます。
ステップ3:原石の送付(原石のカットオーダーの場合のみ)
本当にカットに耐える原石かどうか、直接職人様方に見ていただくために(あとは実際にカットしていただくためにも)、シミズ貴石様に原石を送付します。
宅配便が安全で良いと思います。ワレモノ扱いで、原石を緩衝材で大事に保護して発送します。
ステップ4:カットオーダーの内容を決める(原石のカットオーダーの場合のみ)
シミズ貴石様に原石が届きまして、職人さまがたに直接石を見ていただくことで、どのようなカットが可能か、判断していただくことができます。
カットできない場合も、この時点でわかるので、そのあとはシミズ貴石様のガイダンスに従ってください。
どのようなカットが可能かはもちろん原石に寄りますが、一般的にさくらインカットなどのオリジナルデザインのラウンド系、その他通常のルース形状、甲州石切子は依頼できます。
カット料金はケースバイケースなので一概に言えませんが、私の場合を参考にすると、さくらインカットなどのラウンド系は1万円弱前後(原石の状態のほか、大きさにも左右されます)、甲州石切子は3~4万円前後程度(原石の状態のほか、大きさにも左右されます)を目安に予算を立てると良いと思います。
一方で180面桔梗カットは原石持ち込みでは受け付けていませんでした。
桜切子も原石持ち込みでは受け付けていません。
他にも一般の原石持ち込みオーダーで受け付けてないカットはあると思いますので、シミズ貴石様のガイダンスに従ってください。
カット加工の内容の選択肢はシミズ貴石様が示してくださいますので、自分の希望と予算を鑑みて、依頼内容を決めて、シミズ貴石様に連絡してください。
(原石の状態にもよりますが、私の場合は必殺技「職人様にお任せ」すら可能でしたことを、申し添えておきます。届くまでドッキドキでしたよ、ええ)
なお、原石は、カット加工中に破損してしまうリスクがあります。天然のものを人の手で加工する以上、これは当然のことです。
そうなると取り返しがつきませんので、カットオーダーの際は、覚悟を決めてGOサインを出してください。
ステップ5:ジュエリーへのお仕立ての相談(共通)
原石のカットが仕上がったか、オーダーした種類の石のカットが仕上がったら、ジュエリーへのお仕立ても相談できます。
こちらもお仕立ての内容はシミズ貴石様に相談することができますので、予算と希望に応じてオーダー内容を決めて、連絡してください。
ステップ6:出来上がり(共通)
無事に出来上がりましたら、シミズ貴石様から受け取ってください。
私の場合は点数も多く、オーダー内容も細かかったのもあって、トータルで半年ぐらい、仕上がりまでにやり取りしていました。
シミズ貴石様の混雑具合にもよるので、仕上がり時期は、オーダーの都度確認するのが良いと思います。
対面の瞬間は、まさに感動です。
うちの子の仕上がりはこんな感じ。
(カットオーダーの3石ほかに白水晶の180面桔梗カットのペンダントもオーダーしてたので全部で4個)
紅いオレゴンサンストーン原石
仕上がりのリング
緑のオレゴンサンストーン原石
仕上がりのルース
アクアマリンの原石
甲州石切子
一連のツィートも張っておきますね。
シミズ貴石さま @shimizu_kiseki へのオーダー品が無事に届きました。先行で3点、来年もう1点お仕立てのものが届きます。 pic.twitter.com/liCa2GX595
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) November 20, 2021
もうね。
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) November 20, 2021
信じて送り出したうちの子と感動の再会でした。
開けた途端息を飲んだね。
シミズ貴石さま本当にありがとうございました(感涙 pic.twitter.com/jhl2DRaZZa
返す返すも素晴らしい… @shimizu_kiseki @SunstoneJapan pic.twitter.com/l5DmG8HvAx
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) December 4, 2021
写真後日ちゃんと撮りますが、まずは再会の記録
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) December 23, 2021
アダムさん @SunstoneJapan のオレゴンサンストーンラフをシミズ貴石さま @shimizu_kiseki に預けてスターカット、お仕立て、して頂いたリング。紅い…シラーめちゃ強、カット完璧
まさに太陽のキングストーン…世紀王が今ここに… pic.twitter.com/rqw5Adazqd
いや赤いね。っていうか紅い?赫い?朱い?
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) December 23, 2021
あかさがすごくてほんとに赤いっていうか。手持ちのオレサンでも真紅と言えそうな初めての個体かも
オレンジ気味になるのが銅インクルの特徴だし
ラフでも相当赤かったけどカットしてここまで赤くなるとは
石も良いけどやはり色を切り取る職人様のセンスか pic.twitter.com/YI6xmuKemb
そしてこの大きさですよ
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) December 23, 2021
11mmってね。
いやあすごい、カットオーダーでなきゃお迎えできなかったろうなあ pic.twitter.com/KpTGm4kr5n
一通りやり取りしてみて、シミズ貴石様の対応は総じて大変丁寧で親切でした。
細かい悩みや相談、注文、問い合わせにも、根気よく対応いただけたと感じています。
むしろ、過分なお心遣いまでしていただいて、恐縮しきりでした。
私の方は大分おっかなびっくりでして、めんどくさい客だったと思いますが(苦笑)、おかげで、信頼してお任せすることが出来ました。
職人様方の技術に関しては、すでに全幅の信頼を置いていたので、この点とてもありがたかったです。
ご興味のある方は、ぜひ一度相談してみてください。
プロジェクト・ヘイル・メアリー [本と雑誌]
「火星の人(邦題:オデッセイ)」の原作で一躍メジャーになった、アンディ・ウィアーの新作です。
ツィッターで流れてきて新作が出たのを知って、取るものもとりあえずポチって一気に読了してました。
上下巻読了。のんびり読もうと思ってたけど下巻に入ってからは一気に読んでしまった
— 天下無敵の無一文 (@takosuke2200) January 8, 2022
素晴らしいエンターテインメントSF。面白かったあ
プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 https://t.co/NvfA9HkshN @amazonより
いやあもう最っ高に面白い!
面白いんですが、どこを紹介しようとしてもネタバレになり、ネタバレが致命的な類の作品なので、さてどう紹介するか(悩
主人公はある部屋で目覚めます。目覚めますが自分がどこにいるか、自分が誰か。自分の名前すら思い出せない。
何故か世話をしてくれるロボットアームに身をゆだねながら徐々に意識がはっきりしていきますが、何もわからない。
どうにか動き出して、自分のベッドのほかに二つのベッドがある事がわかりますが、そこには物言わぬ男女のミイラが横たわっているのみ。
やがていくつかの実験を経て自分の状況を少しずつ把握し、並行してよみがえってくる記憶を垣間見ることで、滅亡のカウントダウンが始まった地球を救う任務が自分にある事、未だ大部分の記憶を失った状況であることがわかってきます。
ミッションのために、様々な探求をする「現在」と、よみがえってくる記憶による「過去」の話が並行で進み、奇妙なパラドックスを読者に与えつつ、雪だるま式に大事になっていく物語が、息をもつかせぬ興奮に、読者を放り込んでいく。
そんな物語でした。
いやはや、読み進めるうちに、「そんな馬鹿な」と口をついて出ることが幾たびあったことか。
次々に提示される展開や事実、情報が滝のように押し寄せる、素晴らしい勢いのある読書が楽しめる作品です。
そして結末には、それまでが嘘のような温かいものが心を満たしてくれる。
そんな素敵な物語でもありました。
やあもう最高ですね。おすすめです。
2022年あけました [雑記]
特に書くこともないのであいさつ程度に。
今年はファイザーの飲み薬が実用化されると思うので、コロナも対処可能な病気になると思います。
そうしたら色々活動を再開していきたいですね。