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プロジェクト・ヘイル・メアリー [本と雑誌]


プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2021/12/16
  • メディア: Kindle版



「火星の人(邦題:オデッセイ)」の原作で一躍メジャーになった、アンディ・ウィアーの新作です。
ツィッターで流れてきて新作が出たのを知って、取るものもとりあえずポチって一気に読了してました。


いやあもう最っ高に面白い!
面白いんですが、どこを紹介しようとしてもネタバレになり、ネタバレが致命的な類の作品なので、さてどう紹介するか(悩

主人公はある部屋で目覚めます。目覚めますが自分がどこにいるか、自分が誰か。自分の名前すら思い出せない。
何故か世話をしてくれるロボットアームに身をゆだねながら徐々に意識がはっきりしていきますが、何もわからない。
どうにか動き出して、自分のベッドのほかに二つのベッドがある事がわかりますが、そこには物言わぬ男女のミイラが横たわっているのみ。

やがていくつかの実験を経て自分の状況を少しずつ把握し、並行してよみがえってくる記憶を垣間見ることで、滅亡のカウントダウンが始まった地球を救う任務が自分にある事、未だ大部分の記憶を失った状況であることがわかってきます。

ミッションのために、様々な探求をする「現在」と、よみがえってくる記憶による「過去」の話が並行で進み、奇妙なパラドックスを読者に与えつつ、雪だるま式に大事になっていく物語が、息をもつかせぬ興奮に、読者を放り込んでいく。
そんな物語でした。

いやはや、読み進めるうちに、「そんな馬鹿な」と口をついて出ることが幾たびあったことか。
次々に提示される展開や事実、情報が滝のように押し寄せる、素晴らしい勢いのある読書が楽しめる作品です。

そして結末には、それまでが嘘のような温かいものが心を満たしてくれる。
そんな素敵な物語でもありました。

やあもう最高ですね。おすすめです。
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