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武器としての世論調査 (三春充希著) [本と雑誌]


武器としての世論調査 ──社会をとらえ、未来を変える (ちくま新書)

武器としての世論調査 ──社会をとらえ、未来を変える (ちくま新書)

  • 作者: 三春充希
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: Kindle版



のんびり読んでいた本を読了。とても勉強になり、また面白い本でした。

先日行われた、第26回参議院議員選挙の際、かねてよりの活動として、投票率向上を目指して(むなしいとは思いながらも)SNS上での投票呼びかけを行っていた際、広げていたアンテナに流れてきた三春充希さんの著書です。

三春充希さんはデータ分析の専門家として、選挙や世論調査を分析することで、今の社会を「見える化」し、よりよい未来を描けないか、模索するという研究活動を続けつつ、その結果を広く公開して下さっています。

プロフィールURL:
https://note.com/miraisyakai/n/n692c491932bf

ツィッター:
https://twitter.com/miraisyakai

少しでも選挙や政治、社会問題に興味のある方はフォローをお勧めします。

なにかと不信感や、批判のやり玉にあがる、メディア各社による世論調査。
しかし、きちんと合理的な見方をすれば、それは政治や社会の流れを見通す目となり、自分の投じる一票を最も有効に活用するための武器となることを、この本は説いてくれています。

内容としては、まずは「世論調査とは何ぞや」というそもそも論から始まり、我々が何となく数字でしか見ていない世論調査というものが、どのような構造・意味を持つのかという基本から始まります。

続いて、世論調査から見えるものとして、与党や野党への支持・投票の傾向が何に左右されているか、どのような偏りがあるか、などなど、丁寧に解説されています。

また「内容を操作されているのでは?あてにならないのでは?」と、不審を持たれる世論調査が、どういう性格を持つもので、その偏りを踏まえたうえで、どのように読み解けば、社会を見る目の解像度が上がるのか、をガイドしてくれます。

最後の章では、これらを踏まえることで、自分の一票を最も活かす方法の提案がなされています。

この本を読むと「たかが一票、されど一票」という言葉が実感をもって感じられるようになるのではないでしょうか。

自分が読んでいて特に役に立つなと感じたのは、やはり最後の章にあった情勢報道の読み取り方ですね。なんだか抽象的でよくわからんと思っていた「優勢」「一歩リード」など、独特の言い回しからどの候補者に狙いを定めればよいかが、具体的にわかる内容だったので、今後活用させていただきたいと思います。

全体として、購入した当初は世論調査の勉強のつもりで読み始めた本書が、その実、この今の暗い世の中から、よりよい未来をつかみ取っていきましょうという、力強いメッセージ、呼びかけであることに驚きました。
ロジカルに数字やグラフを駆使しながら、根底にあるのは情熱なのだなというのが読み取れて、元気をいただけたような気がしました。

大変良い読書でした。おすすめ。
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