SSブログ

BRUTUS(ブルータス) 2022年 6月15日号 No.963 [珍奇鉱物] [本と雑誌]


BRUTUS(ブルータス) 2022年 6月15日号 No.963 [珍奇鉱物] [雑誌]

BRUTUS(ブルータス) 2022年 6月15日号 No.963 [珍奇鉱物] [雑誌]

  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2022/06/01
  • メディア: Kindle版



のんびり読もうかと思っていたんですが、読み始めたら面白くて一気に読んでしまいました。

「ぽっと出のファッション誌が最近の時流に乗ってお気楽に鉱物特集組んだんだろー」ってナメてかかっててごめんなさい。ガチの良本でした。

タイトルは「珍奇鉱物」でウケ狙いのようですが、鉱物収集を入り口とした鉱物趣味を幅広く取り上げた1冊です。

何が良いってまず素晴らしい写真の数々です。鉱物収集は写真撮影との闘いである側面もあるのですが、これだけたくさんの見栄えの良い鉱物の写真がそろう一冊は、早々お目にかかれません。
写真に関しては鉱物写真家への取材記事も面白いです。大変勉強になります。

鉱物ファン垂涎のツーソンミネラルショーの詳細なレポートも素晴らしい。なかなか一般の鉱物愛好家は、外国のミネラルショー、それも長期滞在をしたいツーソンショーに出かけることはできず、その様子を良くレポートしてる本もなかなかないのですが、過去読んだ本の中では最もツーソンの空気を感じられるレポートだと思いました。

一転して国内で可能なコレクションとして、ユニークなのは、国内の鉱物ショップの紹介で、単なる宣伝ではなく「推し石」を紹介してもらうことで、店ごとのこだわりを実に魅力的にまとめてくださっているのが良いですね。

鉱山での鉱物標本切り出しのレポートはまさに鬼気迫るレベルで、僕らの手元に届く標本がどのように採掘されるのか。それを博物館級の最上の標本の採集と展示までのレポートとして臨場感たっぷりに伝えてくれるのは大変勉強になりました。

知識面では、鉱物の基本的なことを入り口に、コレクションを始める際の入門知識から始まり、果ては鉱物標本の歴史ともいえるラベルに着目したページなど、それぞれ入り口ながらもこれだけ幅広く取りあげてくれる本はなかなかない。

鉱物の広がりの面では、顔料として使われる鉱物の話や、インテリアとしての鉱物との親し見方、楽しみ方も魅力的に紹介して下さっています。

それぞれ入り口のような内容ではありますが、これほど幅広く鉱物、鉱物収集、そしてそこから広がる広い鉱物に関わる世界のガイド本として無類の1冊と言えるのでは。

お勧めの一冊です。
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。