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理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ! [本と雑誌]


理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/12/11
  • メディア: Kindle版



のんびり読んでおりましたが読了。大変面白い読書でした。

今年のコロナ禍、その第一波の中で「8割おじさん」と自他ともに呼ばれた西浦先生の本。
コロナの気配が忍び寄っていた昨年末から今年の第一波を乗り切り、第二波を迎える辺りまでに先生が「何を考え、何をしていたか」を記録した読みやすいレポートです。

必然的に、内容はクラスター対策班、専門家会議(の中でも、意外なことに正式メンバーではなく、要請により出席していた立場、とのことです)での日々の苦闘が中心に描かれています。
あの混乱とせめぎ合い、世間のバッシングの中、その舞台裏が良くまとまっていると思いました。
ある意味、このコロナ禍で我々市民が誰もが知りたい舞台裏のレポートです。大変興味深く読ませていただきました。

元々この本を読もうと思ったのは、西浦先生という人物に興味があったからです。

日々ニュース(TVもネットも)でまくしたてられる、本当かデマかわからない情報の洪水。膨れ上がってくる不安感と恐怖感。私も御多分に漏れずパニックで混乱していた日々の中で、ご自身を「8割おじさん」とおっしゃった方が目に留まりました。
多分夕方のニュースの画像の中ですが、切り取られた会見の中で「8割おじさんと呼んでください」とおっしゃった方の言葉が、どういうわけかすとんと、腑に落ちたのです。

それから何となく注目して発言を追っていくうちに、理論疫学という聞き覚えのない学問をされていること、それをもってこのコロナ禍に立ち向かっていっていること、歯に衣着せぬ(本を読むと結構言葉は選んでいたそうですが)直球の提言と解説に、なんとなく直感で「あ、この人は正直にものを言っている」と思ったのです。

元々自民党が嫌いで、政治家や政府は嘘ばかりと考えている身としては結構新鮮でして、この方の発言と、尾身会長の会見はある程度の信頼度を置いて見ることができるようになったのは、人間不信による不安をだいぶ和らげてくれました。

先日ツィッターでこの本が出版されたことを知り、これは読まねばなるまいと、取るものもとりあえず、アマゾンで注文(お出かけは相変わらず極力控えております)
1週間ぐらいかけて読んで、先ほど読了した次第です。

時期的にいわゆる「暴露本」と思われそうで、率直な記録になので確かに一部そうなっている内容もなくはないですが、これはコロナ対策体験のレポートです。
そこは学者先生らしく、要点が良くまとまった、良質のレポートでした。言葉も理解しやすいものを選んでくださってる印象で、わかりにくいところはごく一部の数式を覗いて、特になかったです(理系なんだが数学苦手なのよ)

最も興味深かったのは「理論疫学とは何ぞや」という部分でした。
こちら冒頭に前提としてまとめられていますが、感染者の数や経路、増え方、感染日時などのデータから、将来はこれぐらい感染が広がるとか、今の感染者数だと、計上されている数のほかに実際はこれぐらいの患者数があるはずとか、そこから逆算すると、最初のこの時点ではこれぐらいの患者がいたとかなどなどを、数学的に算出できる学問のようです。

海外では防疫の場面で通常使われるツールとなっているそうですが、日本ではこれを実務レベルで操れるのは西浦先生だけだそうです。逆に西浦先生がいなければ、第一波はあの程度では済まなかった、というのを、この本を読んで強く感じました。
これは日本に先生がいてくださった幸運でもありますが、逆に言えば他に扱える人がいないという危ない状況で、まさに首の皮1枚で日本はいま命脈をつないでいると感じました。

帯には「生まれて初めて殺害予告を受けた」とあるように、その直線的な指摘と警告は反発の集中を招き、相当つらかったそうです。
そういう時を含め、すべてのステージで尾身会長や専門家会議の先生方には助けられたそうですが、西浦先生も同じように他の先生方を助けておられたのだと思います。
コロナ対策は西浦先生一人で進めていたわけでは当然なく、あの会議の誰か一人が抜けても、あの第一の山は乗り越えられなかったんじゃないかなあと思いました。

専門家会議の他の先生方についても、多く触れられていました。
特に気になったのがやはり尾身先生です。会見やTV番組で拝見するその柔らかい物腰に、僕は勝手に菩薩のようなお人と尊敬しておりますが、会議の場では時に激高し、時に叱ってくださる激しい面をお持ちだというのは凄く意外でした。
緩急がしっかりしておられるようで、剣道の腕前は相当のものとのこと。やはりああいう精神をお見せいただける方は、何かしら道を究められているのだなあと改めて感心したりしました。
そして西浦先生にとっては理想のボスだったそうで、理想の上司にあこがれる一サラリーマンとしては、何やらうれしく感じるなどしてしまいました。(なお、幸いにして僕の今の職場には、ようやく出会えた理想の上司がおられることを自慢げに付け加えておきます)

興味深いのが、矢継ぎ早に出された数々の指標や「3密」「オーバーシュート」といったものの成立、誕生過程で、役所にはそういうユーモアというか、言葉づくりにたけた人がいるのは、なんだかんだで日本の官僚的だなあと思ったり、様々な疑問から仮説を導き、ある程度の裏付けで確認してから対策につなげていく分析の見事さ、難しさは時間を忘れて読みふける面白さがありました。
下手な冒険小説よりエキサイティングですね。

そしてどうしても気になったのが、厚生労働省などの官僚や大臣、官邸とのかかわりの面。
詳細は中を読んでいただくのが良いですが、やはり相当な軋轢(表現が正しいかはわかりませんが、調整に難航したり、物別れに終わったりという場面はあったようです)があったようです。
世間の注目を集めたアベノマスク配布に至っては、あの温厚に思われた尾身先生が激高して担当大臣につめよったとのことですから、政治と化学はなかなか連携が難しいのだと思いました。
終盤のまとめで言及されていますが、政治家は西浦先生のような専門家の「使い方」がわかってないのでは、と評価されており、僕も先生同様、ニュースを追っていて同じことを感じていたので、中の人も似た感想であることはちょっと喜んだりもしました。

自治体の首長との会議を通して知事の方々を評されておりますが、北海道知事は僕が思っていたように、だいぶ頭の切れる方のようです。実際に拡大した感染を早々に低減させていったところからも、人の意見を聞く実務肌と言ってよいと思いました。
反面、当時並び称されたイソジン知事、じゃなくて大阪府知事は、まあ、なんというか。相当あれだなあという印象を確認させていただきました。
東京都知事に関しては、まあ百合子さんだなと(笑
詳しくは読んでみてください。

一つ意外だったのは、豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」の顛末です。
僕はニュースを見ていて厄介なことだ、早く乗っている人下ろしてあげればいいのに、とか負の側面ばかり見ていまして、実際先生方も大変ご苦労されたとのことですが、この閉鎖されたコロニーのデータを早期に分析出来たお陰で、のちの感染対策に役立つデータが多く得られていたらしいということです。
何事にも功罪あるものとは考えていましたが、ここでもそうだったとは、そこまでは全く考えが至りませんでした。ううむ、自分はまだまだ未熟です。


本文に言及がありますが、理論疫学は、感染対策の際に「羅針盤」となることを期待される学問だそうです。実際今回のコロナ対策でもそういった役割を果たしてきたようです。

少ないデータから多くの情報「地図」のようなものを引き出し、じゃあどう動こうか、という方向性を示す「羅針盤」となる学問だ、と理解しました。(正確ではないかもしれませんが)
今後、この学問分野がより発展し、すそ野が広がっていくことを期待します。

良い読書でした。おすすめです。
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老人と宇宙 [本と雑誌]


老人と宇宙 (ハヤカワ文庫SF)

老人と宇宙 (ハヤカワ文庫SF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/02/29
  • メディア: Kindle版



今回の読書はジョン・スコルジー。
ハインライン御大の「宇宙の戦士」をほうふつとさせる星間戦争SFの大作です。

解説によれば出自が面白く、1970年代に人気ブロガーが自分のブログで連載していた小説が出版されたというものなので、今でいう「なろう」系や、2ちゃんねる発祥の掲示板Web小説といった具合なんですねー。

舞台は未来の世界。地球上は現代のわれわれの社会やテクノロジーからそれほど大きく進歩はしておらず、人類は主に地球上で生活していますが、この世界では75歳になるとコロニー防衛軍(CDF)に志願して新兵になることができる、という、変わった制度があります。

人生でやることをやりつくした老人が、噂される「若返り」を期待してCDFに入隊する社会。主人公のペリーもそういった老人の一人です。

共に入隊登録を済ませていた妻にはすでに先立たれており、何の未練もなくCDFに入隊した彼は、そこで新たな家族と、仲間と、戦友と、人生を得ることになります。

彼が飛び出した宇宙で、人類陣営は非常に厳しい状況でありながら、植民惑星を探してはコロニーを築き、大宇宙を舞台にした恐るべき生存競争を戦っているのです。

CDFの任務は、こうしたコロニーの防衛と、襲い掛かってくる敵性宇宙人(この世界ではほぼすべての宇宙種族がお互いに敵対しています)を殺しつくして殺されないようにすることです。

その戦力は頼りになるものですが、それでも宇宙では新興勢力である地球人類は、様々に苦労をしていますね。

新兵として入隊したペリー質の入隊過程や、恐るべき戦場と死。奇想天外なエイリアンと、読み進めるたびに新たな刺激があり、大変エキサイティングな快作です。

そして終盤の展開は。まさにこのストーリーが、壮大な愛の物語であることを語ってくれます。

素晴らしい読書でした。シリーズが何冊が出ているようなので、順次読んでいきたいですね。
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見知らぬ者たちの船 [本と雑誌]


見知らぬ者たちの船 (1983年) (サンリオSF文庫)

見知らぬ者たちの船 (1983年) (サンリオSF文庫)

  • 出版社/メーカー: サンリオ
  • 発売日: 2020/11/10
  • メディア: 文庫



今回の読書はボブ・ショウ。これで手持ちのは全部読み倒したのでまた仕入れに行きたいところ。

イソップ船長に率いられた、宇宙測量調査船の1隻、サラファンド号と、6両の測量車、そして12人の、時々顔ぶれの変わる乗組員たちが舞台と主人公。

意欲的な宇宙探査とは全く違う、淡々と無価値な惑星の地図を作り続けるルーチンワークの旅で、実入りだけはいいので若者が一時の金稼ぎに働くような仕事で、なんとなく辞め損ねたサージナは、もう十何年もこの仕事を続けている。

危険は時折あるが、おおむね淡々とした仕事の様子を収めた短編集。

とはいえ起伏がないと物語にならないので、何かしらのトラブルが起きてわらわらするのがお約束。

解説によると、ヴァン・ヴォークトの「宇宙船ビーグル号」からのインスパイアとのことですが、あれ読んだの随分前だから内容あんまり覚えてない。

一行は地球から超光速ジャンプで外苑の惑星に飛んで行っては地図を作って帰ってくる仕事を続けています。

測量作業の途中で厄介なものを見つけたり、船内生活の新しいレクリエーションでトラブルが起きたり、うっかり地球外生命に狙われたりもします。

なんだかんだでベテランになってしまったサージナは、メンバーから頼られる立場ですが、タフガイというわけではないので、身の丈に合った対策を練ったり、単にうろたえたりしております。

トラブルの内容が、子の舞台ならではのもので、例えば好みの夢を見せる記憶テープの女性を取り合ったりなどと言うのは、過去読んだSFではついぞ見た覚えがありません。

こういう、親近感がわくスケールで、思いもよらぬ人間模様を見せてくれるのは、この作者の魅力なのでしょうか。

好きな短編集ということもあり、読みやすく、大変面白い本でした。おすすめ。

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宇宙の小石 [本と雑誌]


宇宙の小石 (1966年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)

宇宙の小石 (1966年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/10/15
  • メディア: -



今日は休養のために休暇を取っていたので久しぶりにゆっくり読書。大好きなアソモフ御大の長編です。

舞台は遥か銀河文明華やか利子時代、宇宙の片隅に、小石のように忘れられた地球。

このころの地球は人類発祥の地であることもとうの昔に忘れ去られ、妙なプライドと猜疑心を抱えた地球人たちと、彼らを見下す銀が沁みんという構図の社会になっています。

放射能で埋め尽くされた地表は食料生産に適さず、「60台の掟」により60歳を迎えたもの、もしくは何らかの理由で働けなくなったものは無差別に安楽死させられ、次代に資源を譲るという仕組みになっています。

ある日、現代の地球から突然タイムスリップした仕立て屋のご隠居さんがこの世界に放り込まれるところから話が始まります。

最早英語も通じない社会で市民登録もなく、途方に暮れる御隠居は、たまたま「60の掟」にこっそり背いた秘密のある農家だったが故に保護され、処置に困ってある人体実験の志願者として都会に連れていかれるのです。

この実験は人の脳の働きを劇的に上げて知能をあげるものだが命の危険が非常に高いもの、とされていて、物語の重要な1ピースとなっているのですが、それはなかなか終盤までわかりません。

御隠居さんがスペース・ヒーローのごとく活躍するかというとそんなことはなく、痛快劇という要素は薄いですが、複雑に絡み合った人間それぞ載れの思惑と、恐るべき偶然の成り行きにより、彼と彼を取り巻く人々は、銀河帝国滅亡のカウントダウンに巻き込まれていくのです。

終盤こそ、アシモフらしい痛快劇になっていますが、この物語の主題はどちらかというと上記のようなディストピア社会を描くことにあるように思います。

次々舞台を変える物語は、それぞれへの好奇心を引っ張ってくれるのでなかなか刺激的でエキサイティングでした。

解説によると、アシモフ御大の代表作「ファウンデーション」シリーズを補完する外伝的な作品とのことで、ウウム、さすがにあれをそろそろ読まねばならない時期に来ているか。SFは単巻のが好きなのだが、とはいえ面白いことは折り紙付きだしなあ。どこかで買い揃えよう。

外伝とはいえ、これ1冊単独で十分以上に面白い作品でした。おすすめ。

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メデューサの子ら [本と雑誌]


メデューサの子ら (1981年) (サンリオSF文庫)

メデューサの子ら (1981年) (サンリオSF文庫)

  • 出版社/メーカー: サンリオ
  • 発売日: 2020/09/24
  • メディア: 文庫



ボブ=ショウをのんびり読了。まあ本編はのんびりなどと言ってられない内容ですが。

物語は二つの舞台を交互に描きながら進みます。

一報はどうも海底で水中生活を送っている種族の世界で、小規模なコロニーが人口のすべて。日々食料と空気を駆り集めることで生き延びている世界。
こちらの主人公格はどこか心が世界から逸脱しつつも、勇敢な女性であることが描かれます。

もう一方は我々の良く知る人類が海でタンパク質源を農場で育てながら島に住んでいる世界。かつてあった機械文明は徐々に後退しつつあるさまがみてとれます。

後者はともかく、前者は中盤まで人類であることに確信が持てない描かれ方で、しかし双方ともに、にわかに起きている海流の異変を軸に物語が進みます。

それぞれのはみ出し者たちはやがて不気味な知性を持つ粘制物の介在で不幸な出会いを果たし、その生物に支配されることとなります。

一方で後者の世界の政府も何やら怪しげな動きをしており、やがてこれらの陣営は折り重なり、宇宙へと飛び出し、物語は一気に加速するのです。

前に読んだショウの作品もタイトルに掲げられたワードは1度しか出てきませんでしたが、今回も一か所比喩として触れられたのみなのが、なんとも潔いというか、拘泥しないというか。

解説で、ショウの作品の真骨頂は人物の描写だとの記述がありましたが、読んでみるとなるほど。それ尾ぞれの世界の主人公格をキーに描いている面が面白くもあり、感情移入しやすいところでもありました。

なかなかにエキサイティングで刺激的な小説です。

良い読書でした。おすすめ。


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眩暈 [本と雑誌]



お久しぶりの日記はSFノルマのお話。

とはいえ仕事が在宅オンリーになって生活リズムが変わったのと、シナリオっもう書かないのでノルマって感じではないですが。

前から読んでみたかったボブ・ショウの本が先日3冊ほど手に入ったので手始めに。

半重力飛翔具により、個人の飛行がカジュアルになった時代。

職務の結果航空からの落下で心身にひどいダメージを負った、元航空警察官のロブは、壊れ切った心を癒すために海外の知人の警官のもとに身を寄せます。

そこには巨大なタワーホテルのなりそこないがあり、珍走団の空版である暴翔族のたまり場となっていました。

物語は飛翔具による空への葛藤と、無軌道な若者、タワーの地主で在り過去の栄光にしがみつく老人、実直な知人警官を中心にめぐっていきます。

主にロブの視点で語られる物語は、傷ついた彼の心を通した世界が、回復に従って様変わりする様子がありありと描かれています。

老人の誇大妄想が警官の責務と衝突する中、ついに決定的な事件が起き、多くの人が、多くのものを失うこととなるのです。


ロブは冒頭傷つき疲れ果てているので、まるで「アルジャーノンに花束を」の冒頭を読んでいるような、世界は不明瞭なものであるといった感じを受けますが、彼が回復するにつれて、そして彼の回り、というのはすなわち彼の知人警官であるウィリーの周りの人間関係が明らかになるに連れて色彩を帯び、はっきりしてきます。

半重力装具というSFガジェットは出てきますし、読んでいくうちに、これはひょっとして物凄いギミックなのでは、という感じを受けるのですが、物語は人間の心理を追っていく内容なので、ロブという人間が個人飛行とどう対峙していくか、を克明に描いていると思いました。

序盤はそうでもなかったのですが、読み終えてみると非常な満足感を得る本です。終盤の展開が素晴らしいですね。

エキサイティングな読書でした。おすすめ。
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神保町雨天行脚 [本と雑誌]

自粛生活も2カ月ほどになり、色々落ち着いたように見えてるけどまだまだ何も終わって無い昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか

僕はもう限界でした…(><

仕事も10割テレワークなので(それで通常通り仕事出来ていることは、ただただ会社に感謝しかない)この2カ月ほぼ家の中

1日1回程度、息抜きに近所の散歩をする以外は家の中

無駄遣いの買い物は通販頼り。物欲は満たせるようで満たせない

あかん。体はともかく心が死ぬ

何で生きてるのかわからなくなりかけてたので、今日は一念発起して神保町で久方ぶりの古本屋巡りをしてきました

一応、最低限の計算として

・何はともあれ行きたいところ

・全般的に人が少なく密になりにくいエリア

・休日はさらに人が少ないことが期待できる

・雨天だとさらに

というのを考えて陣病徴を選択。とはいえ何の裏付けもない勝手理論安良でさてはてというところ

ともあれ久しぶりのお出かけ、楽しんでまいりました

目当てはもちろんいつも通りのSFと、アシモフで探したい本が2冊あったのでそれの探索

あと母のお土産で池波正太郎

戦利品~

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ボブ・ショウが比較的安価で2冊も手に入ったのは僥倖でした

まだ読んだことないですが評判は悪くないので気になっていた方です

阿曽も府はもう一冊、ゆにおんくらぶ奇譚がずっと読みたくて探してますが今回も見つからず

もう通販に頼るしかねえかなあ

ともあれ戦果としては満足です

1,2時間程度で引き上げるつもりが、つい探し物に熱が入り4時間ぐらい歩いたかなあ

久しぶりすぎるお出かけのせいで、思った以上に足腰にダメージが。いてててて・・・

まだ外食も怖いので、木さ点で一休みとかも避けたしなあ

これ、制限が解けて、いざ鎌倉散歩再開~とかを楽しみにしてますが、無理かも(汗

北鎌倉とか歩いてたら早々にへばりそう。足腰品ないように毎日体操したり腹筋したりしてるけどあきまへんかこれは

ままならぬ

と、ともあれ今日は楽しい一日でした

そして噂のぼんでぃのカレーは今回も縁なし。テイクアウトで買って帰ろうと思いましたが引き上げるタイミングがちょうどランチタイムアウトになったので無理でした

まあまたの機会に

ああでも久しぶりに楽しいお出かけでした

行ってよかったと思います(^^)
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花束の石 プルーム・アゲート [本と雑誌]


花束の石 プルーム・アゲート (不思議で奇麗な石の本)

花束の石 プルーム・アゲート (不思議で奇麗な石の本)

  • 作者: 山田 英春
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2020/05/22
  • メディア: 単行本



模様石のコレクターとして有名な山田さんのシリーズ2冊目(で多分良いはず)。
前回のパエジナに続き、今回は花のように見えるのが特徴の瑪瑙、プルームアゲートです。

プルームの結晶の成長の仕方などは知識が足りないところだったので、その辺基礎のテキストがあるのはありがたいです。勉強になりました。

また産地の様子や採掘者のコメントなども、なかなか知ることができないので面白いですね。

そして何よりの魅力は、世界中、各地の色とりどりのプルームアゲートの写真達です。

山田さんご本人のコレクションが中心ですが、親交のあるコレクターさんからも集めた写真が紙面を飾り、これ1冊で世界中の産地を巡った気分になりますね。

瑪瑙好きにはたまらない本です。
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ポオのSFⅡ [本と雑誌]


ポオのSF〈2〉 (1980年) (講談社文庫)

ポオのSF〈2〉 (1980年) (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマは先月費引き続きエドガー・アラン・ポオ。

まあ今月といいつつ、1日足が出たので3月分なのですが。

1巻と同じく先日の古書市で買い求めたものです、が、扉ページが破れてなくなっている…悲しい。まあ読むには問題ないですが。

今回はポオが晩年に書き上げ、「これを書いてしまったので生きている意味が亡くなった」と言わしめ、のちに自死につながった「ユリイカ」が大部分を占めます。

いや解説にそう書いてあってびっくりしたんですが。状況を考えあわせるにどうもそうらしいという。

「詩として扱ってほしい」というポオの願いとは裏腹に、十分中編の文章量がある怪作でした。

未来からの手紙による宇宙の真理のメッセージに始まり、主に空想、直感を基軸とした一大宇宙論を展開する本作は、論文のようでいて、文体はやはり詩編なのだなあとおもうところでもあります。

根拠のない、大いなる妄想の産物のようでありますが、読んでみると現代提唱されている宇宙論と根底がつながっているような部分もあり。

彼の生きた時代には影も形もなかったはずの推論に近しいものが書かれているとは。天才の直感とは、恐るべきものですね。

本の後半にまとめられた小編も終末論だったり、はたまた狂人の話だったりと、どこか凶器を感じさせます。

ポオの作風とは、こういう物なのですかねえ。

刺激的な読書でした。
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ポオのSF1 [本と雑誌]


ポオのSF〈1〉 (1979年) (講談社文庫)

ポオのSF〈1〉 (1979年) (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/02/25
  • メディア: 文庫



今月のSFノルマはエドガー・アラン・ポオ。

ポオがSF書いていたとは過分にして知らなかったので、先日神田の古本祭りで見かけてそのまま買い込んできた一冊です。
送る家を見るとありがたいことに初版のようですね。俺が2歳の時に生まれた本。いくつか書き込みがあったのは古本ゆえのご愛敬、と。

ポオといえば推理小説の大家というイメージでしたが、本作(短編集)では、どこか怪奇小説に似た雰囲気の不可思議な短編が収録されています。

ハンス・プファールの無類の冒険では、ヴェルヌの先を粋月世界旅行を描いており、そのユーモラスさはなるほどヴェルヌの原型と思うようなところもありますが、奇想天外さはちょっと沿うz層が付かない感じ。

ミイラとの論争に至っては、5千5百年も前に埋葬されたミイラが現代に息を吹き返し、学識者たちと激論を交わすという、なんとも滑稽なホラーのようなものが展開されており、これもまた興味深く面白かったです。

他に収録された短篇も、今楽しんでいるSFの源流とも呼べるアイデアの数々にうならされました。やあ、ポオの著作をまともに読んだのは初めてですが(始めてなのかい)さすが多くの作家に崇拝されるだけのことはあります。

その想像力は脱帽です。

2冊組のうち、2観も一緒に変えたので手元にあります。そちらを読むのも楽しみに。

大変エキサイティングな読書でした。おすすめです。

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