ゲームウォーズ(上) [本と雑誌]
今月のSFノルマはアーネスト・クライン。
劇場映画「レディー・プレイヤー・ワン」の原作となった小説です。知人に勧められたので探して読んでみました。
いやあ、出版社の影響か、増刷されていないようなので上巻を探すのには苦労しましたな。
舞台は2045年の地球。
資源が枯渇し、人々は、かつての偉大なゲームプログラマーが生み出したヴァーチャルリアリティの世界に没頭しながら貧困にあえぎながら生きています。
主人公のウェイド・ワッツはそんな最底辺で生活するハイティーンの少年です。
ヴァーチャルの高校に通う傍ら、エッグハントと呼ばれる、先述のゲームプログラマーがゲーム世界に隠した財宝を探す日々を送っていました。
彼はオンラインの友人と交流しながら、やがて5年の間誰も見つけることができなかった「最初のカギ」を入手することに成功します。そこから彼の人生は、エキサイティングでスリリングなものに変貌していくのです。
この財宝を狙うのはゲーマーたちだけでなく、この時代の世界最大の大企業が、殺人もいとわず血眼で探しています。ウェイドは、命の危険を冒すことになるわけですが・・・
全編を通して、所謂ギーク的なゲーマー、サブカルチャーマニアの価値観が主観として語られるので、どこか現実とかけ離れた印象もありますが、ヴァーチャルと現実を行き来しながら語られる物語はなかなかに刺激的で面白いです。
非常に読みやすく、また世界もかなり緻密にデザインされているので面白い作品ですね。来月下巻を読むのが楽しみです。