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奇妙で美しい石の世界 著:山田英春 [本と雑誌]


奇妙で美しい 石の世界 (ちくま新書 1263)

奇妙で美しい 石の世界 (ちくま新書 1263)

  • 作者: 山田 英春
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/06/06
  • メディア: 新書



久しぶりの読書感想文になりますね。

僕がパエジナストーンをはじめとした模様石にハマるきっかけとなったコレクター、山田英春氏。

先日、氏の貴重なコレクションの放出が始まり(取材旅行の資金の足しにするんだそうです)、縁あって素敵なパエジナを分けていただいたのを機に、著作の方も読んでみました。

フルカラーで色とりどりの美しい石の写真を大量に収録している割には新書レベルの価格と、お値段的にもだいぶ良心的な一冊です。

内容は、主に瑪瑙を取り扱っています。産地によって種々様々な形式を見せる、色とりどりの瑪瑙。その産地ごとのエピソードや、ご自身の最終体験。ストーンハンターと呼ばれる発見者たちの足跡など、石に取りつかれた人々の悲喜こもごもと合わせて楽しむことができます。

瑪瑙はもともと好きな石で、好きなブレスレット工作でもよく使ううのですが(僕が使ってるカラフルな瑪瑙はおそらく染め瑪瑙になるのでしょうが)断面の景色を楽しむカットノジュールや、岩塊そのものの面白さなどは門外漢でしたので、瑪瑙の新しい魅力を教えていただける内容で面白かったです。

特に興味をひかれたのは、ストーンハンターと呼ばれる、採掘地を発見した人たちの足跡です。単位コレクターとしてミネラルショーで眺めているだけで走りえない、石にまつわる人の話。

華やかで高額な石の世界とは裏腹に、その多くは金銭的には不味しく厳しい人生を送っていたり、意志の知名度に反して発見者の情報はほとんど何もわからなかったり。

そこにどのようなドラマがあり、欲と人間模様が描かれたのか、石に記録された地球の記憶と違い定かではないものが多いのですね。あれこれ想像をたくましくしてしまいますが、この人たちがいなければ、これらの医師たちは僕らの目に触れることはなかったわけで。

正しく、冒険者の一生が、あったのだと思います。


石の詳細に関しては、瑪瑙の生成過程と共に模様ができる仕組みを解説してあったり、知識師としても得難い内容となっています。これがまた地球の大地のドラマを写し取っているようで面白いのです。

パエジナに関しては、その産地の事や歴史など、いくらかは知っていましたが詳しくは知らなかった話が網羅されていたので大変興味深かったです。

有史以来、さまざmな論争の的になった、化石やパエジナなどの「自然にはできそうもない姿かたちが写し取られた石」の歴史などは特に面白く。

僕の趣味であるTRPGでよくファンタジーの世界を取り扱いますが、そちらのシナリオに使えそうなエピソードなどもあって面白かったです。この辺、そのうちシナリオに仕立てたいなあ。


そして、何よりも魅力的なポイントは、豊富に収録された、各地の瑪瑙、パエジナ、セプタリアン、クリソコラ、などなどの、模様石の写真です。

その美しさ、不可思議な模様など、とても自然にできたものとは思えず。

人ならざる神の作りたもうた、と昔の人が信じたのもうなづける気がします。とてもきれいですね。

特に目を引いたのは、チャロアイトと呼ばれる、萌える紫の炎を閉じ込めたような激しい模様の石です。

もしお目にかかる事が出来たら非常な幸運と言えそうな希少な石ですが、こんな模様石なら大物でも一つ買って、部屋に飾っておきたいですねえ。




上述の、分けていただいたパエジナの写真、貼っておきます。
IMGP7593.JPG
本書では19ページ辺りにこのタイプのパエジナの写真が載っております。
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