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ファースト・レンズマン [本と雑誌]



今月のSFノルマは、”ドク”E・E・スミス不朽の名作、レンズマンシリーズ5巻目。

無敵のヒーロー軍団、「銀河パトロール隊」創設に邁進する”最初のレンズマン”ヴァージル・サムズと、その仲間達の物語です。

キムボール・キニスンの時代の前日談という事で、時代背景的にスケールの大きさは見劣りしますが、その分綿密に構成された物語は圧巻の一言でした。

特に、キムの時代では、既に優秀なレンズマンとして活躍していたパイレン人とリゲル人。
地球人とは全く異なるメンタリティを持った彼らと協力体制を築くときのサムズの苦労といったら、もう。涙無しには読めないですねー。

この世代のレンズマンたちによる、不断の努力があってこそ、後の銀河パトロール隊の活躍があり、レンズの子供たちの絶対的な邪悪に対する勝利があるわけですね。なんとも感慨深いです。

そういえば、最近、自分の中でウルトラマン熱がえらい勢いで盛り上がってまして、『ウルトラの奇跡』のMADを毎日見ているのですが。

これね~。


今回読みながら、レンズマンに見られるのヒーローの構図は、ウルトラマンとも通じるものがあるなあとか思ったりしました。アリシア人とウルトラマン・光の国の住人、対するレンズマン達銀河パトロール隊とCREW GUYSや科特隊の構図は、かなり符合する部分があるなあ、とかね。


閑話休題。


前日談という事で、これまでのレンズマンを読んでいる読者には、後のつながりを連想させてニヤリとさせる場面も多々あるので、そういう面でも楽しめました。キニスン一族と、赤毛金目の一族の意外な親密さが、このエピソードで語られている部分なんかは色々と想像が膨らんで面白かったです。

レンズマンシリーズの魅力に、無敵のヒーローでありながら、常にジョークを交し合うことを忘れないレンズマン達の人間臭さがあると思うのですが、今回はアリシアのメンターが意外なジョークの才を発揮していたのがちょっとカルチャーショック。今作の結末につながるあの小さな予言なんて、ちょっとしたイタズラ以外の何者でもないでしょう。

ラストの1ページを読み終えた後、ニヤリと意地の悪い笑みを浮かべるメンターの姿が想像されて可笑しかったです。まあ、メンターのことだから、どこまでも真面目だったのだろうけれど、ちょっと萌えました(笑)

って、そうか。あれは、中の人(ドク・スミス)にしてやられた瞬間でもあったんですね。ううむ、さすが御大。やってくれる。


いやはや、非常にエキサイティングな読書でした。オススメです。








あと、今回は壮大な政治戦の話でもあったので、なんとなく今の日本の政権と比べて「ああ、今の日本にレンズがあればなあ」とか思ってしまいましたとさ(笑)

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