アルテミス(下) [本と雑誌]
今月のSFノルマはアンディ・ウィアー。
現代SF界のシンデレラボーイの新作です。
ほんとは先月読もうと思っていたのですが、先月はホーキング氏の著作を読んだので、今月にもっていきました。
月面に植民が安定化してからの時代。月の2千人の歳社会の底辺で密輸業で生計を立てる女性ジャズが、最後の大一番に打って出る完結編です。
解説にもありましたが、後半戦は前作「火星の人」と同じく、ミッション推敲型のストーリー。
上巻で絶体絶命の状況に陥ったジャズですが、そこはこの作者の描く主人公。最後までへこたれません。
様々な遺恨を乗り越え・・・る努力をして(笑)いろいろな人の力を集めて、月面社会を覆おうとしている裏社会の力を払しょくしようと、一大ミッションに乗り出します。
月に生きる様々なプロフェッショナルの力を結集したミッションは、当初順調に推移しますが、徐々にいろいろなトラブルに見舞われ、どんどん状況が悪化していきます。
そこで試されるのは、時間をかけて建てる対策ではなく、そこにある物を何でも利用して、次々に判断を下すスピード。
リアルの宇宙開発を描く際、毎回語られるのは、この判断を下すスピードですが、そのあたり描かれているのは凄くリアルだと思いました。
ストーリーも、最後の域を持つ科せぬ展開はテンポよく読めて面白かったです。
期待したいのは、作者がこの月の舞台設定を使った続編を書きたいと言っていること。
直接の続編ではないそうですが、この舞台は非常に魅力的ですし、その中で、またジャズに出会える可能性があるなら、楽しみにしていきたいですね。
エンターテインメインとしてのSFとしても面白ろく、ハードSFとしても満足のいく内容でした。またどこかで読み返しましょうかね。
2018-05-06 20:57
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