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宇宙賃貸サルガッ荘 [アニメ・コミック・ゲーム]

宇宙賃貸サルガッ荘(1) (KCデラックス) 宇宙賃貸サルガッ荘(1) (KCデラックス)
価格:¥ 680(税込)
発売日:2009-12-22
以前店頭で見た時に、タイトルにつられて気にはなったのですが、当時手元不如意により購入見送り。

先日、ツィッターのタイムライン上で銅大先生が話題にして羅したので、ちょうどいい機会ということでアマゾンさんで一気買い。そして一気読みしました。


面白かった。


タイトルからわかるとおり、舞台は宇宙の墓場、サルガッソー宙域。

永劫戦争に明け暮れる人類陣営とドラゴン陣営。その人類陣営のパイロットであるヒューマノイドのテルは、被弾して漂流した挙句、宇宙船の墓場と伝承されるサルガッソー宙域に流れ着きました。

酸素も切れ最早これまでといったそのとき、接近する生命反応。

「サルガッソーの魔女」を名乗る彼女、メウに導かれた(ラッキースケベによるセクハラ行為で発生した転移魔法の暴走ともいう)先にあったのは、なんと安普請のオンボロアパート。

なんで宇宙船の墓場にアパートが?というところから話は始まります。

子供のころ祖父から聞かされ、そして信じ込んだ挙句にさんざん子供のころ馬鹿にされたサルガッソーの魔女の伝説。その祖父がかつて遭難の末に訪れたのが実はここでした。

とはいえ伝説とは似ても似つかぬその日常感あふれすぎる様子と、個性豊か、というよりはアクの強すぎる住人達に揉まれながらも、テルは諦め悪く、脱出不可能なサルガッソーからの脱出を誓って吠え続けるのでした。


おおむね無駄な努力なのですが(笑)


ともあれ非日常の中の日常という体で物語は進んでいきます。魔女にして管理人のメウの正体や、サルガッソーの真実、衝撃の再会などもクライマックスにはありますが、まあ本編はおおむね平々凡々とした日常の描写となりますね。

それぞれの住人を掘り下げるエピソードも、あるものはしっとりと、あるものはややアブノーマルに、ですが脱出不能のサルガッソーという舞台ですから、おおむね悲し過去だったりするのですが、それがまた味わい深くて一つ一つのエピソードが深いのはいいです。

この、非日常の中で営まれる日常という、セオリーの真逆を行くシチュエーションは非常に面白いですね。

今までにないモチーフ、というわけではありませんが、この作品の場合は、なんというか日常感と非日常感のバランスが実によくて飽きません。

またスペースオペラのガジェットとファンタジーなガジェットのバランスもいいですし、祖父との関連でテルに好き好きオーラ全開の管理人さんとツレないテルとの一方通行なラブコメも良いアクセントになっています。

あとがき漫画によると、作者様の別の作品がっヒットしたお蔭での再刊版だそうで、再刊に向けてのファンの涙ぐまし活動の末に復刊されたシロモノということですが、この面白さなら復刊活動に入れ込むのも分かる気がします。

テルは実に諦めの悪い主人公ですが、作品自体も実にあきらめが悪かったらしく、その逞しさは見ていていっそ痛快ですらありますね。

結構幅広いジャンルの人が楽しめる良作ではないでしょうか。オススメです。

良い読書でした。スターレジェンドの第二期はこれで行くのもいいなあ。

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