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六つの航跡(下) [本と雑誌]

今月のSFノルマは、先月に引き続きムア・ラファティ下巻ですね。

衝撃的なクローズドサークルで幕を開けた本作は、下巻に入り、徐々に物語の収束を向かえます。

クローンそれぞれの過去が明らかになり、そこに共通するある人物が浮かび上がってきます。

その人物と、自分たちを殺した犯人との関係は。事件の真相は・・・

ここに関しては読んでいただくと良いと思いますが、最後まで面白い本でした。

クローン陸子とともに、クローンと人類の歴史をひも解いていく流れは、一つの歴史叙事詩としての側面も持ちますね。

解説にもありますが、ラスト近く、全員が車座になって酒を酌み交わす場面は、我々の知るお弔いのような儀式的な場面です。

遥か宇宙のかなたを旅する移民船の中で、このようなオカルト的なことがもよされるのはミスマッチの面白さがありました。

良い読書でした。エンターテインメントとしては上質ですね。映画で見たい本だなあ。


六つの航跡〈下〉 (創元SF文庫)

六つの航跡〈下〉 (創元SF文庫)

  • 作者: ムア・ラファティ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/10/11
  • メディア: 文庫




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