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甲斐鉱物宝石職人行脚 [旅行記]

昨日、幸いにして親交を結ばせていただいている、ルース作家のルストさん(https://twitter.com/Rapid_lay)の本拠地、甲府に遊びに行ってきました。

いつも、お会いするときは東京に出てきていただいてばかりなので、たまにはこちらから、と割と軽い気持ちで打診。

当日も、どこかで茶でも飲みながら石をネタに石友駄弁りのプチ石会ぐらいのつもりでいたのです、がー。

ルストさん、割とガチに観光コース組んでくださいまして、がっつり観光を楽しんできてしまいました。

東京からは、新宿駅発の中央線特急で甲府駅へ。

何出に無一文さん、新刊S根に害の特急電車は初体験です。

旅のお供は、冬コミでお迎えしたルストさんの新作・ルースケースリングに、特大のカラーレススピネル(合成)を収めて小指にはめていきました。

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駅ではちょうど良いタイミングで両方とも現着となったので、スムーズに合流。

まずは・・・

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・・・

信じられるか?これ、駅の構内の展示なんだぜ(戦慄

ちょっと甲府はめてました。しょっぱなからかなりガツンといいものもらった感じ。

ここいらでようやく意識のスイッチが切り替わりました。

我らがシミズ貴石さんの桔梗カットも見事な展示をされていました。

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駅の展示での見どころは、この水晶のボール状飾りつけ。無数の、多面体に磨かれた水晶で構成されています。

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なんでも、当時ルストさんを含めた(笑)美術学校の生徒さんたちが総出で研磨したんだそうで。

誰にも気づかれない見どころとして、水晶玉のうち、四方の4個だけ、ブドウの透かし彫りがしたるということで教えていただき、探してみました。赤丸のところ。

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いや気づかせようよ!説明プレート一枚でいいんだよ!

ルストさん「いやー、うち宣伝下手なんですよねー」

むしろ宣伝してないよ!後でも書きますが甲府凄いよ!もっと魅力伝えようよ!

甲斐ということで、信玄公にご挨拶。

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立派なお姿。今の甲府は、この方の築いた土台の上にあるのですねえ。


駅を後にしてまず向かったのは、すぐ近く、役所の敷地内にある「山梨ジュエリーミュージアム」

URL:https://www.pref.yamanashi.jp/yjm/

ルストさんの職場の一つでもあります。

貴石の研磨体験なども出来、素敵な細工やデザインのアクセサリー、ジュエリーの販売もされていますが、何よりもすごいのがその展示。

甲府の宝石職人や細工の歴史を一そろい学べるのがまずすごいです。正直知らないことだらけで圧倒されました。

職人の方のインタビュービデオも見れまして、これも御縁と、清水幸雄さまのビデオを拝見してきました。えーと、桔梗カットの説明されてたんですが、あれ、想像以上のすさまじい技術の賜物だそうです。

しかも、それがゴールではなく、ビデオの中の清水さん曰く「これのおかげで色々新しいものが作れるようになった」とのことで、むしろ基本技だそうです。

なんかもう飛天御剣流の、天翔龍閃の入門編で九頭竜閃があるみたいな凄さです。

展示内容はもう一つ、甲府縁の職人の皆様や、学生の方々のデザイン画、作品など、素敵な時節の展示があります。

僕知ってるの清水幸雄さんぐらいですが、他にも同レベルの方々の美しい作品の数々にただただ驚くばかり。

これだけ見れて入場無料。

・・・

っていうかこの施設ももっと宣伝しようよ!俺石好きだけど全然知らなかったよ!

甲府城の石垣も見れるよ!歴史好きとしても見逃せないよ!

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続いてお昼に向かいますが、お店の駐車場が埋まっていたので、先に物産展示場の「かいてらす」へ。

URL:http://www.kaiterasu.jp/

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こちらも展示が見ごたえあり、噂のジュエリーマスターの方々の紹介など。

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こちらも、ばばーん!清水幸雄さんの作品!

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こちらで甲州ワインやお菓子などを買い求めた後、お昼にGO。

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ルストさん「東京じゃ食べられないものって、何かないかなーって考えたんですー」

曰く、あごにダメージが来るレベルでコシの強いうどんが食べられるとのことで、ほうとうは東京でも食べられるからそっちへ流れます。

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コシもそうですが、ボリュームがすごくて、まるでうどんの次郎ラーメンバージョン。

具も麺も山もりで、食べても食べても底が見えない。

お出汁も食べたことがないお味で、甘辛いのがなんとも言えずおいしかったです。また食べたいなあ。


続いては、甲府の山の中へと分け入りました。

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まさに深山。

ファンタジー好きとしてもワクワクしてきますね。

まずは、水晶発祥の地とされる、霊場 金櫻神社へ。

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祭神は少彦名命とのことで、一寸法師の源流となる神様ですね。

石好きとしての目玉は、神宝「火の玉・水の玉」

古代に研磨された水晶玉とのことで、そんなものがよく伝わっているものだなあと感心しきり。

こちらではその水晶玉ゆかりの、水晶のお守りが頂けます(初穂料千円)

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何気に今年の初石です(^^)

日本の宝石研磨のルーツのお守りが初石とは、何やら縁起が良いですな。

東京に帰ってきて、さっそくどんな水晶か品定めしようかと思ったのですが、写真の通りの変わった結び目で、元のように結べる気がしない。

ツィッターで呟いたら、さっそくキルト&糸系クリエイターのsaoさんから情報をいただき、どうも「真の封じ結び」というもののようで、昔、武将が自分の食べ物に毒を盛られるのを避けるために編み出した、難しい結び方のようです。

参考:https://donguri-hiroi.blog.so-net.ne.jp/2009-06-28

今でいうパスワードブロックですね。IT系技術者としては感慨深いです。

これは、空けずに袋のままで身に着けようと思います。

さらに奥へ分け入り、昇仙峡に足を踏み入れます。

URL:https://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

日本百名水の一つだそうです。甲斐の国有数の観光スポットです、が、オフシーズンなので誰もいねえ!!(笑

秋は紅葉が綺麗だそうです。木々を見ていると落葉樹ばかりなので、確かに赤く染まりそう。

ともあれ、お店もあらかたシャッター閉じておりましたが、水晶が産することで有名な乙女鉱山(現在は国立公園なので採集不可)とのことで、パワーストーン系の石屋さんが山ほどありました。

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何故かプレデターもいた。あとガンダムとどむとザクもいました。

多分溶接やる方がいるのでしょうが、何か以前ツィッターでバズってたオブジェだと思うので、あれはここだったんですねー。

さて、本日のメインイベント。滝です!

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圧巻!

音が凄いので動画も撮ってきましたが、ただただ「すげー!」としか言えない。

ルストさん「僕は滝も好きですけど、こっちの岩山も好きなんですよー」

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やあこれは水墨画にも出てきそうな。仙人住んでますよね絶対。

山岳信仰が生まれる理由の根っこがわかった気がします。

ミュージアムなどもあり、こちらも石細工関連で珍しものが。

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こちらの信玄公と、謙信公ですが、なんと宝石、貴石でできてます。

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白馬のところとかホワイトオパールですよ!いくらかかったんだこれだけ作るの!

ルストさんの話では、これは甲府で鉱物画を作れる(そんな細工自体初めて聞きましたがいろいろ見てみて相当レベル高い細工物です)職人のお爺さんが作ったんだそうで、この技術持っているのは、もうその90歳ぐらいの方しかいないそうです。

なんとも見事な作品でしたので、なんとか継承していってほしいものですが。


山を下りた後は、コメダ珈琲にしけこんで、ルストさんと二人でプチ石会です。

東京から持ってきたオレゴンサンストーン。ルストさん絶対好きな石だと思いつつ、なかなか昨年現物を見る機会が作れなかったのですが、それがようやく叶いました。

思った通り、だいぶ気に入ってくれたようで、もしかしたらいずれ、工房Rapid_Layのラインナップにオレゴンサンストーンが増えるかもしれませんね。

ルストさんにお見せしたおかげで一つ発見があり、僕が最初に買った、ジェムエイコーさんのオレゴンサンストーンのルース。

買ったときから、ずいぶん特殊な輝き方がするルースだなあと不思議に思っていたのですが、どうも日本ではできないカットだったらしく。正面から万華鏡のように乱反射するのは、カット面を凹の感じで微妙に湾曲させているからだそうです。

くりかえしますが日本ではできないそうです。工具がないので。

これができるのは相当レベル高いカッターの方だそうです。

・・・

ジェムエイコーさーん!これ、本当にあの値段で良かったの―!?(絶叫

オレゴンサンストーンで最初に好きになったルースの、新たな魅力を発見して、改めて惚れ直したところで今回は締めとなりました。

帰りは特急に揺られながら、あらためて色々思い返しますが、やあ良い旅でした。

ルストさんさまさまです。甲府が一発で好きになりました。

わざわざ海外まで行かなくても、国内にこんな良い土地があるとはなあ。

石好きはぜひ一度、足を運ぶのが良いと思います。

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