パルプ [本と雑誌]
チャールズ=ブコウスキーの怪著。
前にツィッターで誰かが呟いていたのに興味を持って読んでみました。
自称スーパー探偵のニッキ・ビレーンのもとに舞い込む奇妙な依頼。
ビレーンは勇気を奮い起こし、解決に臨む意気込みで酒場と競馬場に向かい、有り金をスっては帰ってくる。
何を言っているかよくわからねーとは思うが、俺にもよくわからねえ(笑
そんなむちゃくちゃな小説です。
ビレーンは行ってしまえばどうしようもないクズのチンピラで、歳も40を党にまわった中年のおっさん。頼りにするのは大口径のるがーですがそれすら通じない相手には通じないもんですから、大抵ひどい目にあっては酒を飲んでいるのです。
この作品には、痛快な謎解きや、カッコイイアクションは皆無です。
エンターテインメントとしては正直に疑問を覚える作品です。
ビレーンの元に舞い込む依頼は、死んだはずの作家の身辺調査を依頼する死神や、浮気調査、よくわからない、紅い雀の創作依頼など、多彩ですが、どれ一つとして彼に解決したりはしません。
ですが自分の信じる探偵増にかたくなに固執し、最後の最後までビレーンはビレーンdね在り続けたのは、なんだかひどく人間臭く感じました。
読んでいる途中で、作中の何をやってもうまくいかないビレーンの様子が、僕のリアルの仕事の様子と重なってしまって、辛くて暫く読めない時期がありましたが、先日読み切ったので感想を書いておきます。
題名通り、パルプフィクションの悪い所だけを凝縮した怪作でした。
2018-01-28 14:49
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